今日は、かまどのある生活を体験してもらいに、三重県はF 家にやってきました。
こちらは、ご主人のご実家で、現在はご両親が住まわれているよう。
実は、新居を建築中で、ゆくゆくはこちらにお住まいになられるということで、典型的な田舎(失礼!)の家という感じ。敷地が広く、敷地内に蔵もあって、古民家もあって、庭も広くて、窓からは流れる川や森が見えて、都会暮らし慣れた身にとっては、夢のような場所。
今日は、そんなお宅でかまどのある生活を体験してもらいにやってきました。
ちょっと庭先をお借りして、コヘッツイ三をおもむろに出して、ご飯を炊いてみようと思います。
まずロケーション。残念ながら、本日は雨。庭の真ん中にどどんと机を出してと思いましたが、古民家の軒先でテーブルセッティング。今回使ったのは、普通の木のダイニングテーブル、付け加えれば、針葉樹の柔らかいタイプの木をつかったものです。コヘッツイを直置きすると、テーブルがこげてしまうので、今回は予め用意していた石の板をテーブルの上におきました。
本来は、コヘッツイが入っているケースの蓋と中蓋と梱包されている6ミリの調湿不燃材を重ねて使用しますが、今日は代わりに石の板で代用します。
用意するものは、コヘッツイセットと、米と燃料です。
燃料は、薪、炭、固形燃料、どれでもいですが、せっかく外でやるのなら、絶対に薪がおススメです。「男の火遊び」というくらい、男心をくすぐられ、気づいたら焚き口から一歩も動けなくなります。この火を使いこなしている感じがたまりません。今回も、使ったのは薪、それも針葉樹です。たまたま横で新居を建てているので、その木っ端を小さいナタでちょいちょいと細くします。
太さ1センチ角で長さが15センチくらいのものが30本もあれば十分です。女性でもちょいちょいでできる感じです。
針葉樹は柔らかいです。昔は、近くに大工さんの作業場や木工所があって、そこからよく焚き物に使う材料を調達したものですが、最近はそんな大工さんの仕事場もめっきり減ってしまいました。ホームセンターなどでも薪を扱っているところがあるので、比較的入手しやすいと思います。ネットでも買うことができます。
1,000円~3,000円で、それだけ買ったら、コヘッツイに使う分くらいなら、10回分くらいは余裕でありそうな感じです。お米を炊くくらいだったら、そんなに量は必要ありません。面倒であれば、使った割り箸なんかでも大丈夫です。日本人は一人年間250本くらい割り箸を消費していますから、薪に使う分くらいすぐたまります。
次にごはんです。鍋に炊きたい量だけお米を入れて、等量の水を加えます。
線がついているので、目安にご使用下さい。
2合、1合のご飯の量です。ひとつ上のラインが、水量の目安です。
いよいよ火入れです。
薪は、空気が入るように、キャンプファイヤーのように、やぐらに組んだりすると、火が回りやすいです。一番下に、新聞紙を長細く、軽くぞうきんを絞るように丸めたものを2本くらい敷いて、その上にやぐらを組みます。そのまま着火機器を薪にあてても火がつくくらい燃えやすいです。
「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、赤子泣いてもふたとるな」
の言葉とおり、最初は中火から。
もうもうと燃えています。
薪はすぐ燃えてしまうので、どんどん投入して下さい。
ここが火遊びの醍醐味!
けっこう燃えてきたら、ふいごなんて使うと気分もアップ。
15分程度このままにすると、やがてぐつぐつ音がし出して、ごはんが吹いてきます。
そしたら、少し火を小さくして下さい。余分な火は火消し壷に入れて、安全に消化してください。そのままその辺に放置しておくと、火災の原因になりますので、ご注意下さい。
吹きこぼれたりしますが、吹きこぼれるのは余分な水分なので、心静かに眺めます。
もうしばらくすると、吹くのが止まります。だんだん水分がなくなってきた証拠です。
吹き出してからここまで大体5分程度で炊きあがり。おこげを作りたい場合は、8分を目安にしてください。
時間がたったら、火を止めて、15分程度蒸らしたらできあがりです。
そのときに、ほんの少しだけ火を残しておくと、蒸らしがうまく進みます。
できあがり!
外でとる食事はほんとに気持がいいです。
こんな感じで、かまどを囲んだ食事を、お楽しみ下さい!